欧州連合加盟国

欧州連合(EU)に加盟している国は2007年1月1日現在、次の27か国である。

ベルギー - オランダ - ルクセンブルク - フランス - イタリア - ドイツ - イギリス - アイルランド - デンマーク - ギリシャ - スペイン - ポルトガル - オーストリア - フィンランド - スウェーデン - ポーランド - ハンガリー - チェコ - スロバキア - スロベニア - エストニア - ラトビア - リトアニア - キプロス - マルタ - ルーマニア - ブルガリア

EUの加盟国

※この地図は2007年現在のものである。また、右上は各国の海外領土である。海外領土については欧州連合加盟国の特別領域を参照。

目次

[編集] 統合の歴史

拡大の変遷
拡大の変遷
  • 原加盟国
  • 第2次拡大 (1981年1月1日加盟)
  • 第3次拡大 (1986年1月1日加盟)
  • 第5次拡大・東欧拡大
2004年5月1日加盟
※キプロスは国民投票により南北合同での加盟は否認された。北キプロスは国家承認されていない。
2007年1月1日加盟
※※この2か国による加盟だけをもって第6次拡大とすることもある。

[編集] 加盟を希望する国

  • 加盟候補国で加盟交渉を行っている国
    • クロアチア (旧ユーゴスラヴィア。歴史的・文化的関係が深いオーストリアやドイツが加盟に積極的だが、ボスニア内戦でのクロアチア人武装勢力による残虐行為を理由とした慎重論も存在)
  • 加盟候補国で加盟交渉を中断している国
    • トルコ (現在、EU最大の問題ともいえる。北キプロス問題とアルメニア人虐殺問題が交渉中断の原因だが、人口の多さと貧しさも課題。イスラム教が多数派だが、厳しい政教分離を実施。詳細は下記参照)
  • 加盟候補国(理事会の承認済みの国)
    • マケドニア (EUのアナウンスによる国名表記は「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」。国名を巡ってギリシャの強い反発が続く。国内もアルバニア人問題で、紛争勃発を予防するため国連の平和維持部隊が展開中)
  • 潜在的加盟候補国(理事会が承認していない国)
    • アルバニア (加入レベルまで到達するための国内改革の必要が問題。国民の過半数がイスラム教徒であり、キリスト教原理主義者からは忌避されている。経済水準はヨーロッパ最低レベルとも言われる)
    • ボスニア・ヘルツェゴビナ (1995年のボスニア内戦終結後、治安は安定したものの、2つに内部分裂した国家であることが問題点)
    • セルビア セルビア (ボスニア内戦の戦犯法廷に関する政治事情により予備交渉も当分延期)
    • モンテネグロ (同上。ただし独立により状況が変化する可能性もあり)
  • 将来的に加盟を目指している国
    • ウクライナ (国策としては決定していないが、ユシチェンコ政権が親欧米政策で加盟を希望)
    • ノルウェー (第四次拡大を目指した1994年の国民投票で、EUが進める国内漁業保護の撤廃政策が嫌われて加盟が否決。国策では加盟希望)
    • モルドバ (ルーマニアとの国家統合も含めて計画。国内にはロシア系住民を中心とした独立運動)
    • アイスランド (ノルウェー以上に国内漁業へ依存する国家。政府は2015年までのEU加盟を検討し始めたが、問題は山積)
  • 加盟希望を拒絶された国

[編集] 加盟を希望しないヨーロッパの国・地域

  • ソビエト連邦諸国(カフカース山脈南麓のアゼルバイジャン・アルメニア・グルジアのカフカース3国は、地理的にはアジアだが、しばしばヨーロッパ諸国と見なされる)
  • 旧ソ連諸国以外の国家
    • スイス永世中立国1992年欧州経済領域(EEA)参加が国民投票で否決、EU加盟にも国民の半数以上が反対の世論調査。スイス政府は法制度の整備でEU諸国との関係を調整。シェンゲン協定の批准により大半のEU加盟国との自由往来(国境検査の廃止)は実施済み)
    • リヒテンシュタイン (スイスとオーストリアに挟まれた永世中立国、経済面でスイスと一体化。経済的に豊かなミニ国家のため、EU加盟の負担に見合う恩恵が受けにくいと判断。スイス国境は完全開放、オーストリア国境では検査を実施)
    • サンマリノ (アペニン山脈中、四方をイタリア領に囲まれたミニ国家。EUとの取り決めでユーロの流通を認め、サンマリノ独自デザインのコインを発行する権利を持つ(独自デザインユーロ発行権はバチカン・モナコも所持))
    • バチカン (イタリアの首都のローマ市内にあり、ローマ教皇庁が統治するキリスト教カトリック教会の宗教国家。面積は世界最小。特殊な性質を持つ国家のため、加盟対象にならない)
    • モナコの旗 モナコ (フランス南部、地中海沿岸のプロヴァンス地方の一角にある、バチカンに次いで世界で2番目に国土面積が狭い超ミニ国家。世界中の超富裕層が集住する。フランスと関税同盟を結び、外交権の一部が制限される)
    • アンドラ (ピレネー山脈中、フランス大統領とスペインのウルヘル司教を共同元首とするミニ国家。免税地として有名。国境検査を維持するが、国内ではユーロが流通)
  • デンマークの自治領
    • フェロー諸島の旗 フェロー諸島 (北大西洋上の島国。1948年に自治政府成立。漁業保護、特に捕鯨の維持でEU諸国と対立し、デンマーク領ながらEU対象外となる。近年は完全独立運動が活性化。通貨はユーロではなく本国のデンマーク・クローネと等価値のフェロー・クローネを使用)
    • グリーンランドの旗 グリーンランド (北大西洋上、世界最大の島。面積はEU地域の半分を超えるが、人口数はミニ国家並み。1973年、デンマークがEC加盟を決めた国民投票で、漁業が主要産業のグリーンランドは反対票が賛成を上回り、1979年に成立した自治政府が1982年にEC離脱を宣言、1985年に正式離脱。通貨はデンマーク・クローネ)

[編集] 新規加盟の要件

1992年に署名され、1993年に発効したマーストリヒト条約では以下の要件が示されている。

  1. ヨーロッパの国」である事
  2. 同条約第6条に定められた自由権民主主義人権及び基本的自由の尊重、法治国家を尊重する事

1993年にコペンハーゲンで開かれた欧州理事会の会合において以上の2点を踏まえた上で、EU加盟要件の確認、追加が行われた。これがコペンハーゲン基準である。コペンハーゲン基準は以下の4点に集約される。

  1. 「ヨーロッパの国」である事。
  2. 法治国家、民主主義、基本的人権の尊重。及びマイノリティー(少数者、ここでは特に少数民族を言う)を保護する社会制度を持っている事。
  3. 市場経済を持っている事。又EUに参加した場合に、EU経済における競争力に対応できるような経済力を持っている事。
  4. EUの法体系を受容できる事。

EUとの加盟交渉を開始するためには、これらの要件を満たしている必要がある。これらの基準は、2004年のEUの東方拡大によって新たに加盟した国10か国との加盟交渉、及びこれより以前に加盟申請を行っているトルコとの加盟交渉開始から適用されている。要件の1番目にある「ヨーロッパの国」という点が最も問題になったのはトルコである。トルコに対して加盟交渉の開始が認められた事は逆説的に言えばトルコは加盟要件の1番目にある地理的要件である「ヨーロッパの国」たる要件を満たしていると解釈できる。(トルコの国際関係#EU加盟問題を参照。)

これ以外に個別の国に対して、交渉開始の別個の要件が設定される場合がある。これまでにトルコとクロアチア、セルビア・モンテネグロに対して設定されている。トルコは、その人口の多さからEU側にトルコを受け入れる経済的余裕があるかが事前に審査された。クロアチアは旧ユーゴスラヴィア国際戦犯法廷に対する、同法廷より訴追されている人物の引渡しが要件として設定された。同法廷に対する協力はセルビア・モンテネグロに対しても要求されている。

なお、ブルガリアとルーマニアの加盟を控えた2006年12月14日15日に、ブリュッセルの本部で行われたEU首脳会談では、2004年の東欧拡大による西欧各国への労働者大量流入に関する社会問題を鑑み、制度改革が整うまで、拡大のペースを緩めるべきとの採決が採択された。この中では、交渉を開始したクロアチアまでで拡大プロセスを中断するとしており、同じく交渉中のトルコを排除するものであった。これにより、交渉中のトルコは反発したものの、今後の拡大には時間がかかると予想される。

[編集] 加盟と加盟交渉の実態

[編集] ブルガリアとルーマニア

2007年1月1日に加盟が実現したブルガリアとルーマニアでは、2005年に加盟条約に調印したものの、欧州理事会は2006年5月に、2国は政治改革が進行していないこと(具体的には、汚職が横行している、犯罪組織のトップが野放しである、人身売買など人権の尊重が十分でない、関税撤廃が行われない、など)を理由として、07年1月の正式加盟を許可あるいは延期するかどうか06年10月に決定するとした。加盟条約では2008年末までを有効期限としていたが、06年9月26日に加盟許可が承認され、2国は予定通りに加盟することとなった。ただし、加盟後も改革の遂行を義務付けられ、改革が進まない場合、EUは2国への補助金停止などの措置を講ずることが出来る。

[編集] トルコとクロアチア

2005年10月にEUの緊急外相会談においてトルコとクロアチアの加盟交渉開始が審議された。トルコの加盟に関しては長い間審議がなされていたが、貧しく人口の多いトルコの加盟により、低賃金労働者が大量に西欧へ流れ込み、摩擦が生じるだろうと早い内に予想され、またイスラム教国であることからも、西欧諸国(特にフランス)は「欧州入り」に批判的であった。05年の会談の際も、歴史的に仲の悪いオーストリアからの根強い反発があったが、オーストリアが推すクロアチアの加盟交渉開始を同時に認めることで取引が成立した。特に、NATOなどで関連が深いイギリスはトルコ加盟に意欲的であった。

しかし、2006年12月14日・15日のブリュッセル首脳会議において、EUはクロアチアの加盟交渉で拡大プロセスを中断し、トルコとの交渉は停止することで合意した。会議は理由として、東欧から西欧への労働者流入により、各国に改革の為の時間が必要であると説いたが、トルコとの交渉停止には、北キプロス問題の未解決と、第一次世界大戦中にあったとされる「アルメニア人虐殺問題」が原因となっている。特に、国内に50万人のアルメニア人を抱えるフランスでは、06年初頭に「アルメニア人虐殺に異を唱えることを罰する法律」を制定するなど、反トルコの姿勢を鮮明にしており、年内には加盟各国に対して反トルコ外交を活発に行った結果、交渉停止の合意に至った。トルコは反発したものの、この会議により、トルコ加盟には相当な時間がかかるものと予想される。

[編集] セルビアとモンテネグロ

2006年に欧州理事会はセルビア・モンテネグロに対して、加盟交渉を開始する要件として、クロアチアと同様旧ユーゴスラヴィア国際戦犯法廷に対しての同法廷より訴追されている人物の引渡しを要求したが、セルビア・モンテネグロはこれを拒否した。このため欧州理事会はセルビア・モンテネグロの加盟に関する加盟交渉開始に関する手続きの交渉を中断するとした。この事は2006年5月にセルビア・モンテネグロからのモンテネグロ独立の可否を問う国民投票が実施された際、モンテネグロが独立することがEU加盟の早道であると言う主張を生む結果となった。一方で、EUはモンテネグロの独立が地域の情勢を不安定化させる要因になることを懸念しており、2003年にセルビア・モンテネグロが成立した際からEUへの加盟は「セルビア・モンテネグロ」としてなら認めるが、セルビアとモンテネグロがそれぞれ独立して加盟することを歓迎しない旨を公表していた。国民投票の直前になって、50%以上の投票率と55%以上の賛成と言う条件を示したが、2006年5月21日に行われた国民投票ではこのラインを突破している。しかし、06年12月15日の決議により、EUは拡大プロセスを中断することで合意した為、トルコと同様、加盟実現には相当な時間が必要と予想される。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

  • EU拡大(駐日欧州委員会代表部)

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